こんにちは。
正しい手抜きメソッド・おだしマジック! 家庭料理研究家の高窪美穂子です。
家庭料理をお教えしている中で、数多くの方が持っている「思いこみ」、そしてと思いこみから生まれた「呪縛」の強さに驚愕したり、納得したり。
読んだあなたも、もしかしたら「確かに〜」と思い当たるかもしれない「思いこみ」と「呪縛」が、今日のおはなしです。
Contents
◆「**」がないとスープが作れない!という「思いこみ」と「呪縛」
最初にその「思いこみ」と「呪縛」に出会ったのは、料理教室を家庭料理主体の教室に切り替えた頃。
あるクラスでレシピを見た生徒さんが発した一言が、その「呪縛」との出会いでした。
「えええーーー、先生!!コンソメがなくてもスープって作れるんですか?!」
そう、思いこみとは・・・
市販のコンソメキューブ、もしくはコンソメ顆粒がないとスープが作れない、洋風の煮込み料理が作れない、という思いこみ、そして呪縛。
それから今まで、言われた数はもう数え切れない。
スープ系のお料理はもちろん、洋風の煮込み料理、例えばポトフやポークビーンズ、ハヤシライスをお教えしたり、作ったことをお話ししたりすると必ず「え、その料理ってコンソメ(または**の素)がなくてもできるんですか?!」と。
いつしか私は、そんなこんなの経験を総称して「コンソメの呪縛」と名付け、何かの折に触れてお話しするようになりました。
◆なぜ人は「コンソメの呪縛」にかかってしまうのか
私が出会った「コンソメの呪縛」にかかっている数多くの方は、日々、家庭料理を作っていらっしゃる方ばかりでした。
それなのに、どうしてコンソメがないとできない、という、強い思い込みと共にコンソメに呪縛されているのか??
いろいろ考えてみて、思い当たることがありました。
それは、美味しそうな料理の映像や画像とともに、日々大量に流れる広告たち。
「この**を使えば、かんたんに美味しい料理ができますよ」と言うメッセージとともに、しあわせな食卓の情景が流れて・・・。
あー、こんな美味しそうな料理がかんたんにできるんだったら使いたいー!!
そう思うのは当たり前(^^)
でも、ちょっとだけ立ち止まって考えてみると、違う面が見えてきたんです。
それは広告の「裏」に込められたメッセージ。
「この**を使わなかったら、このお料理は難しいですよ」
「これを使わないと、お料理が美味しくなりませんよ」
「これがないと、このお料理は作れないんですよ」 etc…
広告の受け手である私たち自身が、無意識のうちに勝手に情報を読み替えてしまっているのではないか、と。
そして、繰り返し広告をみるたびに、知らず知らずのうちに刷り込まれ、呪縛をされていくのではないか・・・
そう考えるようになりました。
◆家庭で料理を作るときに、試して欲しいちょっとしたこと
私は今、家庭料理を実際に教えることだけでなく、家庭料理レシピ創造思考のオリジナルメソッドを可視化・言語化した講座や、食全般の知識を体系化し「正しく手抜き」できるオリジナルメソッドのオンライン講座なども主宰していま
今回のコラムのテーマでお話ししている「コンソメの呪縛」の例も、次回以降にコラムで書こうと考えているたくさんのことも、全て脳の「思考パターン」を上手に使っているな、メソッドで必ず最初にお伝えする、ある「こと」に当てはまるな、と感心したり、うーーーん、と思ったり、を日々繰り返しています。
ということで、今回はこのコラムを読んですぐ実践できるちょっとした「コツ」をお教えしますね。
それはもし「これがないとこの料理ができない」と思ってしまったら・・・
「これがなくてもこの料理ができる、できる」「何か代替できるものがないかな、ないかな」と意識して思考を逆回転させること。
やるもやらないも自由、決して強制ではありませんが、もしご興味あればちょっと試してみてください。
実は脳はとても単純で、ある意味「おバカさん」。
一度、ある方向に向かう思考パターンをスタートさせると、想定しているゴールに向かって一心不乱に思考を回し続けます。
そして、そのゴールに向かうために有用な情報のみをピックアップし、そのほかの情報はピックアップしてくれなくなるのです。
こういった脳の働きの大枠については、かなり昔、大学の先輩の人事コンサルの方に特別に講義と診断等をしていただき教えていただきました。
その時はそうなんだー、くらいにしか思いませんでしたが、脳の働きの単純さと「コンソメの呪縛」が繋がったことで、「思考」の回し方をより強く意識するようになりました。
◆そして「コンソメの呪縛」がとけた後は・・・
さてさて、話をちょっと前に戻しましょう。
レッスンに参加され私に「コンソメの呪縛」にかかっています、と告白??した数多くの方たちが、その後どうなったか・・・
コンソメを使わないレシピを味わって「コンソメがなくても、こんなに美味しいなんて」としあわせそうに笑うお顔ばかりに出会ってきました。
体も心も緩んでとっても「楽」になった、と表現するのがいちばんぴったりな、そんなお顔ばかり。
もちろん、コンソメや**の素を使うことは悪、だとも思いませんし、否定もしません。
でも、私が作り続け、そしてずっと教え続けている「素材の味を活かす」家庭料理には、少なくともコンソメや**の素は必要ない、と言うことだけははっきり言えるのです。
家庭料理には、人を支える力があります。
次のコラムもお楽しみに。
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