Mihokoブログ

北海道から、めぐる「命」の贈り物

こんばんは!
海や大地と家族をつなぐレシピ・100%天然素材家庭料理実践家®の髙窪美穂子です😊

 

 

今日も寒かったけれど、日差しのあった日中は少し過ごしやすくてホッとしましたね。
今年もあと10日! 時間が経つのが本当に早くて目が回りそうです👀🌀

 

 

昨日は朝からミーティングに出かけ、ランチ会まで出席して帰宅。
15時近くになっていましたが、先日北海道から送っていただいた・・・

この「ノゾミ」の牛骨と一緒に入っていた・・・

「ユキ」の牛バラ肉の塊を処理することに。

 

 

お肉というと、みなさん、お肉やさんで販売している
綺麗な状態を想像されると思いますが、
送っていただいたのは命をいただき、解体した肉をそのままパックしたもの。
だから、本当に大きくて、さらにお掃除をしてからお料理をすることになります。

 

 

大きなお肉を処理してお料理まで、というと、
私自身も大きなパワーを使うので気合を入れないと😊

 

 

大きなお肉を4等分して・・・

 

 

自分ができるだけ綺麗にお掃除していきます。

 

残念ながら全てを取り除くことは
ちょっと難しく。肉のトリミングの技術もそこまでないのが現実。
それでもできるだけ丁寧に、きれいに。
命を大切にいただききるための作業です。

 

 

それを4回繰り返して、そのうちの半分は・・・

中華風の牛バラ煮込みにすることに。

 

 

そしてもう半分は・・・

赤ワイン煮にするのに、漬け込み。
料理するのは明日、かな。

 

 

こうやって乳牛としての命を終えて、肉になって戻ってきて。
その処理をこうして載せているのに不快感を抱く人も中にはいらっしゃるでしょう。

 
「残酷だ!」「同じ命なのに、よく切って食べられるね」「とても触れない」その他もろもろ。
実はこのブログを書く数日前に、
FBで私のお友達がアップした書き込みに、そのお友達のお友達でビーガンの方が
このような論調でコメントを書かれて、それに私のお友達が意見を書く、ということがありました。

 

 

私自身は、どんな意見も否定はしません。
様々な考え方、意見があって当たり前。
多様性は大切です。

 

 

お友達の中で、いろいろと考えてビーガンになった方もいらっしゃいますし、
そのお友達のために、お食事を作ったこともあります。
みんな日々選択して、生きているんですもの。

 

 

でも、いつも思うのは、たとえどんな食生活のスタイルを選ぼうとも、
人はなんらかの命の犠牲の上に生きているのだ、ということ。

 

 

本当にずいぶん昔のことなんですが、
たまたまつけたテレビの番組で、野菜の声を感知できるという
機械を発明した方だったと思うのですが、出演されていたのを見たことがあります。

 

 

あまりに昔なので詳しい内容は忘れてしまいましたが、
「大根の声」ということで、大根が半分に切られた時発しているのだという音をとって
放送をされていたのだけは覚えています。

 

 

野菜の最後の切ない声、それが本当なのかどうかは今となってはわかりません。
でもね、血が出るもの、出ないもの、声があるもの、ないもの、
なんであっても命があるのには変わりないのだけは事実。

 

 

全ての命は巡り巡って、命を生かすことに。

 

 

「ノゾミ」の牛骨や「ユキ」のお肉を送ってくれた健吾くんとたえちゃんは、
本当に本当に大切に牛を育てています。
でも、牧場の牛はペットとは違うのです。
ミルクを出すことができなくなれば、その牛を飼い続けることはできない。

 
命を全うするまでそのまま生かして飼うべき、というのも正論。
でも、その牛が担っていた役割が終わったら、次へバトンを渡すために
その命をまた次の命につなぐために、屠畜をさせていただくことも
また一方で正論なんです。

 

 

「ノゾミ」の牛骨は大きなままの状態でやってきました。
箱を開け、袋に入ったままの牛骨を見て、その命の迫力が私の心にぐっと迫りました。
思わず、袋のまま抱きしめて
「ありがとう、ありがとう」と出てきた言葉とともに、自然に涙が溢れました。

 

 

手塩にかけて育てていた牛の命をいただく健吾くんやたえちゃんの、
心の葛藤を思いつつ、
はるか昔、せたなのみんなに出会うきっかけになった
ファームブレッスドウィンドの先代・新さんやはんちゃんのことを、鮮やかに思い出しました。

 

 

新さんたちご夫妻はクリスチャン。
自然養豚農家さんでしたから、食肉を得るのに
大切に育てた豚を屠畜に出すんです。

 

 

処理場から豚が肉になって戻ってくると、
その度に枝肉を抱きしめる、と。
これで良かったんだ、良かったんだと命に感謝しながら、と話していたことを思い出しました。

 

 

命は巡る、そしてつなげていくもの。
むやみに粗雑に命を扱うのではなく、
その命の重さを感じ、感謝し、いただくことが
食べることの根底には必ず存在するのではないかな、と思っています。

 

 

写真の通り、牛骨は大きいままだったので、
我が家にある道具ではとても切ることもできず、鍋にも入りきらず・・・。
それでもなんとか湯引き処理し、通常入れる香草も入れずに牛骨そのものだけでスープをとりました。

 

 

あの美しい環境で牧草だけで育った牛の牛骨は、
スープをとるのに加熱すると草とミルクの甘い香りが・・・。
生きている間の「ノゾミ」の日々の積み重ねを、その香りからも感じ取れました。

 

 

数時間煮て、牛骨をとりのぞき濾しとったスープは乳白色。
甘い香りが立ち上ります。
黄色い色の脂は、牧草だけで育った証。

 

 

昨日処理したばら肉も、脂の色が同じ。
みんな日々を重ね、そして命は巡っていく。

 

 

今年の最後に、またそんなことを改めて感じ、
深く心に刻むことができました。

 

 

さて、明日は今年最後のレッスン。
おせちレッスンです。

 

 

しっかり準備して、一年の締めくくりにしたいと思います。

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髙窪美穂子の著作
2016グルマン世界料理本大賞・Fish部門世界第3位受賞
「ラクチン!お魚クッキング」(旭屋出版)

2014グルマン世界料理本大賞・Single Subject Cookbook 日本代表
「おうちでできる天然おだし料理入門」(PARCO出版)

「塩麹・醤油麹のラク旨レシピ」(成美堂出版)

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